「会計ってなんか難しそう、専門的で一部の人にしか関係ないのでは?」と思っていませんか?
実は、会計はとても身近なものです。会計と関係しない人生はありません。ビジネスを行う上でも会計は欠かせないものです。
なぜなら、世界のあらゆる事象は会計と切っても切り離せない関係だからです。
私は公認会計士として会計の仕事に携わってきました。公認会計士試験に合格し、BIG4と呼ばれる監査法人の1つで10年以上働いていました。その後、事業会社に転職して、経理部門で会計に関係する業務に従事しています。
この記事では、そもそも会計とは何なのか?について、わかりやすく解説します。会計は自分に関係があること、ビジネスを行う上では欠かせないものであることがわかります。
会計とは身近なものです!世界は会計でできている!
会計とは何か?
そもそも会計とは何でしょうか?なんとなくイメージが思い浮かんでも、その問いへの明確な答えはすぐには出てこないと思います。試しにGoogleで「会計とは」と検索してみてください。色々なサイトで様々な表現で説明されていて、全く同じものはないはずです。そうです、会計に唯一絶対の定義はありません。
1949年に大蔵省により日本の会計基準の古典、バイブル的存在の「企業会計原則」が制定されました。その「企業会計原則」の中にも、会計の定義は明記されていません。明確な定義がないことが、会計は難しい、とっつきにくいといったイメージも形成される一因だと思います。
「会計とは?」の答えは回答する人によって異なる十人十色のもの。視点や切り口によっても表現はバラバラです。私が考える会計とは以下のとおりです。
会計とは、共通のルールにしたがい、個人や企業の活動を定量的に見える化し、その活動を分析・評価して意思決定に役立たせること。
例えば、お寿司屋さんに食事に行ったときのことを思い浮かべてください。お寿司を注文して食べ終わった時に、「お会計お願いします」と店員さんに言いますよね。そうです、そのお会計の「会計」です。店員さんはお客さんが何を食べたのかを確認して金額を集計し、お客さんはその金額を支払います。お店としては対応する売上が計上されて、売上代金の回収が行われます。
またニュースで「今年の○○株式会社は今までの最高益を更新しました」という報道を目にすることがあると思います。会社は決算で1年の事業活動で獲得した利益を集計して、過去の利益と比較して最高益だったことを開示することで、そのニュースが公表されます。会社は社会に対して、数字で見える化された明確な実績を示すことが可能となります。
要するに個人が今日はいくら売り上げたのか、いくら支払いをしたのか、会社が今月はいくら儲かったのか、預金がこれくらいある、などなど「会計」を使うと、お金という切り口から世界のあらゆる活動を見える化して定量化にすることが可能となります。すなわち、世界は「会計」でできているのです。
財務や経理との違い、関係は?
会計と近い概念として、財務や経理があります。
会社の組織に財務部や経理部は存在しますが、会計部という表現はほとんど聞きません。
財務は企業の資金繰りなど、資金の調達や運用を実行し、管理する業務です。「会計」という手法を使うことにより、その活動を定量化して達成度合いを測ることができます。経理は会社の取引を記録し、管理する業務です。ここでも、「会計」を使用して定量化し、見える形で記録、管理することができます。
会計はそれそのものが業務というものではなく、手法であり技術です。財務も経理もそれぞれ特定の業務のことを指していて、その業務の中で「会計」が活用されているという関係にあります。
会計には2種類ある!
一般的に、会計には大きく分けて2種類あります。財務会計と管理会計の2種類です。
財務会計とは、会社などの組織体に関する経営成績や財政状態を明らかにするために、日々の取引を記帳し、決算において財務諸表を作成するための「会計」です。例えば、1年間でどれほどの売上高があったのか、どれほどの費用がかかって結局利益はいくらになったのかという経営成績が数値で明らかになります。また、決算日時点でどれほどの資産があるのか、負債はどの程度か、資本金はいくらなのかといった財政状態も見える化されます。この財務会計は競合他社との比較に使用されるベースとなるため、統一的なルールが定められており、各種の会計基準や法令等の諸規定に準拠する必要があります。
一方、管理会計とは、会社が経営戦略的に管理上の単位を設定して、その単位での活動成果を集計し、会社経営に役立たせることを目的とする「会計」です。管理会計は、各社の任意で管理単位や目標、KPIを設定して行うもので、必ずしも会計基準等を準拠するものではありません。
会社において財務会計と管理会計はいずれも非常に重要なものです。それぞれは異なる目的のものですが、いずれも「会計」を使用することにより初めて目的が達成できます。
まとめ
会計はとても身近なものです。ビジネスを行う上でも会計は欠かせません。会計に関する知識やスキルは社会を生き抜いていく上での武器となりますので、会計知識やスキルを身につけることはオススメです!
このブログでは、会計について幅広く情報発信をしていきます。是非読んでいただけるとありがたいです。